2015年3月26日木曜日

『ベビー用品完全ガイド』の最新版が発売

このムック本は第1子出産後にこちらのブログ記事で知った。内容がなかなか充実しており、産前に知っておけばよかったと後悔した覚えがある。本書の最新版が3/19に出版されたので、即日入手した。
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ベビー用品に関しては、このムック本を一番信頼している。理由は、広告を一切掲載していないからだ。一般的な育児雑誌はベビー用品を扱うメーカーの広告を掲載している。そのため広告主の製品については批判的な意見を書くことはできない。しかし、本書についてはそういった制約がないので、目次には「買わなくていいジャンル一覧」や、「ベビー用品がっかりリスト」という見出しも並ぶ。

以下、最新版を読んだ感想。

抱っこひも
2人に1人がエルゴを使っている。注意点としては、小柄だと肩ベルトがフィットせず、快適性に欠ける事がある。また、新生児期はインファントインサート(厚手のおくるみ)が必須となり、夏に使うのはキツい。
実は、知人からのお下がりでエルゴを持っており、第1子が6ヶ月〜2歳になる頃まで使っていた。私は150cmちょうどの低身長で、エルゴはなんとなく合わないという印象を持っていたが、このレビューを見て納得。第2子の予定日は8月でまさに夏。暑さ対策も考慮して、新生児期の抱っこひもはベビービョルンを購入することに決めた。

ベビーカー
3輪バギーは操作性が抜群とのこと。自宅玄関が狭いためにコンパクトな4輪しか考えていなかったけれども、この記事を読んで3輪バギーに興味が湧いた。今度メーカーの直営店で試してみたい。

「お役立ちアイテム」の中で気になった商品
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外出中にベビーチェアを探すのに苦労する事が多かったので、こちらの商品はあると便利かも。

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こちらは娘の保育園でも使われているクレヨン。子供が握りやすい形になっている。

価格:3,218円
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これは「母乳でも哺乳瓶でも授乳中はずっと赤ちゃんの目を見てあげること」とアドバイスしている方々の逆鱗に触れそうな商品。でも、上の子の育児中にこんな商品があったらいいなと思っていたのも事実。

価格:2,580円
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羊水の中のような状態を作りだし、赤ちゃんの安眠を誘うおくるみとのことで、夜泣き対策になる。

こういったアイテムは購入しても赤ちゃんの好みにあわず、全く役に立たないこともある。一方で、ちょっとした商品でぐっと育児が楽になることもあるので、侮れない。例えば第1子の時には、こちらの食事用エプロンが大活躍した。
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かなり計算された形状で、赤ちゃんの食べこぼしの大半をポケットでキャッチしてくれる。

基本的には第1子のお下がりを使うつもりだが、チャイルドシート、ベビーカー、抱っこひもは新調しようと思う。ミルク、紙オムツ、おしりふきなどの消耗品は臨月近くなったら検討しようと思う。 第1子妊娠中はベビー用品の準備が大変で苦痛を感じていたけれども、第2子妊娠中は購入対象が少なく知識も多少増えているので、ベビー用品を選ぶのが楽しい。

2015年3月18日水曜日

フィンランド育児パッケージの全容解説

昨日、我が家にフィンランドの育児パッケージが到着した。(育児パッケージとは何か?については2/3の記事を、購入の経緯については2/26の記事を参照)素敵なベビー服を一気に揃えることができて心が踊る一方、育児パッケージの欠点も目についた。


結論から言うと、この育児パッケージは北欧デザイン好きの方にはお勧め。ただし、ベビー服やベビー布団のラインナップが日本の気候に必ずしも合っていないので、万人向けではない。フィンランドは、このパッケージの中に新生児〜9ヶ月までに必要な製品が全て含まれていることを誇っている。しかし、日本の関東より暖かい地方に住む場合、活用頻度の低い物が入っていたり、このパッケージ以外にベビー服を買い足す必要が出てくると思う。

育児パッケージのお値段は、送料込で399ユーロ(=約53,500円)。それに加えて受け取り時に関税+手数料で4,900円がかかった。北欧デザインが大好きな私にとっては高くない買い物だが、同じものを日本の量販店で揃えれば、おそらく30,000円は超えないと思う。

ここから先は育児パッケージの内容を詳細に説明する。まず、郵便局が配達してくれた大きな段ボール箱を開封してみると、白い箱が登場。以前見た育児パッケージには素敵な模様が書いてあったので、無地で少し残念。
大きさは、幅73cm、奥行き45cm、高さ28cm。生後すぐ〜数ヶ月の間は、このボックスの中にベビー布団をセットして、クーハン(赤ちゃんのベッド)として使うことができる。

フタを開けてみると、ムーミンの柄の寝袋が目に飛び込んできた。

<ベビー服>
まずはベビー服をサイズ別に紹介する。このパッケージには、新生児〜9ヶ月までのベビー服が入っているとのことだが、日本人の赤ちゃんなら1歳まで着られるものも多い。

新生児〜生後2ヶ月頃(50cm)
 ボディスーツ 2着(各50cm)
 ロンパース(50cm)
 ニット帽子(38cm)
 ミトン、靴下(サイズ19-21、単位不明)

新生児用の肌着が少ない!5月生まれの娘の新生児時期は、コンビ肌着4枚を着回していた覚えがある。今回もコンビ肌着を購入するつもり。

3ヶ月〜5ヶ月頃の部屋着(58-62cm)
短肌着(60cm)
 ボディースーツ 2着(60cm、62cm)
 ロンパース 2着(58cm、60cm)
 カバーオール(62cm)
 レギンス 2着(各60cm)

足をすっぽり覆うタイプのベビー服が多い。東京では使いづらいので、足の部分を裁断し、長ズボンとしてリフォームするかもしれない。

3ヶ月〜9ヶ月頃の外出着(60-68cm)
フード付きカバーオール(62cm)
 ブーツ(フリーサイズ)
 ズボン(62cm)
 タイツ(62-68cm)
 帽子 2個(60cm、62cm)
 バラクラバ(顔全体を覆って目だけを出す帽子、62-68cm)
 ミトン、靴下(サイズ不明)

さすがに冬物が充実している。バラクラバは、東京では使う機会がなさそう。。

6ヶ月〜1歳頃(68-74cm)
ボディースーツ 2着(68cm、70cm)
 ズボン 2着(70cm、74cm)
 ロンパース (68cm)
 カバーオール(68cm)
 ニットのカバーオール(70cm)
 シェルジャケット(68cm)

服の素材の良し悪しについては、複数回洗濯して痛み具合を確認しないと真価はわからない。でも、触った感触だと西松屋やユニクロのような量販店よりは上、ファミリアのような高級ベビー服よりは劣るという印象を持った。ミキハウスと無印の中間ぐらいではないかと予想している。

<寝具>
寝袋
フィンランドでは、冬の昼間の時間帯に赤ちゃんをベビーカーに乗せて屋外で数時間、昼寝をさせる習慣がある。冬場の日照不足を避けるための知恵なのだろう。そういった習慣や厚みを考慮すると、この寝袋はおそらく屋外での使用を想定している。しかし、東京ではこれだけ厚手の寝袋を活用する機会は限られそうだ。

ベビー布団一式
マットレス、シーツ、防水シート
 掛け布団、掛け布団カバー

これら一式をボックスにセットすれば、クーハン(赤ちゃんのベッド)が出来上がる。

<食事、入浴、衛生用品>
バスタオル、温度計、ヘアブラシ、歯ブラシ、爪切り
 食事用エプロン、スタイ(よだれかけ)、ガーゼ
 紙オムツ

バスタオルは、三角布部分で赤ちゃんの頭を覆う。
ガーゼは、赤ちゃんがミルクを吐き戻したとき、拭うのに使う。
小さなスタイが1枚。赤ちゃんによっては よだれがたくさん出るので、買い足しが必要。

<両親のための衛生用品>
産褥パッド、母乳パッド、コンドーム

結構辛辣な記事になってしまったが、育児パッケージは昨年8月からずっと憧れていた商品だった。たまたま妊娠のタイミングが合い、憧れの商品を無事に入手できたことはとても感慨深い。育児パッケージのように、赤ちゃんを支援する姿勢はぜひ日本でも取り入れてもらいたい。

<育児パッケージ関連リンク>
このブログの記事
 フィンランドの育児パッケージ展(2/3)
 フィンランドの育児パッケージを日本で購入する方法(2/26)
育児パッケージ販売開始のニュース記事
 マタニティーパッケージと安眠をフィンランドから世界中の赤ちゃんに!
育児パッケージの公式販売サイト(英語)
 Finnish Baby Box

2015年3月14日土曜日

妊娠中のアルコール摂取はOK?『お医者さんは教えてくれない 妊娠・出産の常識ウソ・ホント』

こちらの書評をTwitterで何度か見かけて本書を知り、妊娠を機に読んでみた。
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著者は米国の経済学者の女性で、妊娠出産にまつわる通説について徹底的にエビデンス(根拠)を追求している。どの章も非常に興味深く、私には珍しく一気読みしてしまった。

序章は「テレビが子供の成績に影響するか?」という多くの親にとって関心の高い問題を取り上げ、統計的に確実とはどういったことを意味するのか示している。少し長いが、その箇所を引用する。

一般的に、子供にテレビを見せない両親は教育水準や年齢が高く、読書量が多い傾向がある。子供の成績に影響を与えるのは本当にテレビだろうか。…
因果関係の存在を…証明するには、テレビ禁止の家の子供に無理やりスポンジボブを見せ、他の要素を一切変えない場合、学校の成績を示す必要がある。…
結果的に…テレビは子供の学業成績に一切影響しないことを突きとめた。影響は、ゼロだ、と。この結果は非常に厳密で、テレビの影響がないことは統計的に確実だと言っているのだ。


本書のうち、個人的に参考になった項目を結論部分だけ抜き出してみる。

妊娠中にOKなこと
・妊娠中期と後期には飲酒は1日1杯まで、初期でも週に1〜2杯飲んで構わない
・すべてのエビデンスが1日2杯まではコーヒーを飲んでよいことを示しているし、ほとんどのエビデンスは3〜4杯飲んでもよいことを示している
・スシや生卵については、妊娠時以外のときと同程度に気をつていればよい
・ヘアカラーの使用を憂慮する必要はない
・妊娠前からネコを飼っていた場合、ネコのトイレを処理すること

妊娠中にNGなこと
・生やレアの肉、洗っていない野菜や果物を食べること(トキソプラズマ)
・生乳チーズ、デリターキーを食べること(リステリア菌)
・ガーデニング(トキソプラズマ)
・妊娠初期に暑い風呂に入ること(胎児奇形)
・妊娠36週以降、外気温が40度以上になったときに外出すること(早産)
・体の左側を下にする体勢以外の体勢で眠ること(死産)
・喫煙(早産、低体重児、SIDS(乳幼児突然死症候群))

その他
・妊娠初期でつわりのない妊婦の流産率は30%だが、つわりがある妊婦では8%
・出生前診断について、羊水検査の流産率は相当古いデータが参照されており、現在はかなり流産率が下がっている
・妊娠中に運動をしていた女性のほうが、しない女性に比べて妊娠にともなうリスクが低い(ただし、妊娠中に無理に運動する必要はない)
・赤ちゃんが生まれる可能性が最も高いのは39週
・ラズベリー・リーフティーと月見草オイルが陣痛を促進するというのは何の根拠もない

本書は全ての妊婦さんとその家族にぜひ読んでもらいたい。妊娠出産にまつわる言説の中には根拠のないものも多く、そういった迷信に捕われて行動を制約するのはバカバカしい。また、著者が指摘しているように、同じデータやエビデンスを見ても各人の価値観によって選択が異なることは大いにあり得る。そこで、本書の結論部分だけでなく、その結論に至ったエビデンスを見て、各読者が自己の価値観に基づいて意思決定することをお勧めする。

特に出生前診断について検討されている方は第8章は熟読する価値がある。その他に興味深い章としては、つわりの時期と対処法が第7章に、切迫早産の安静に効果がないことが第13章に書かれている。また、第18章ではバースプランをテーマにしており、胎児モニタ、会陰切開、子宮収縮剤の3つに関するメリット、デメリット、陣痛中の食事、臍帯切断のタイミングについて言及している。出産が近くなったら読み返そうと思う。

なお、本書の訳者あとがきに重要な指摘が2点あった。
・本書は米国で2013年に出版されて以来、賛否両論である。特に「妊娠中の飲酒は少量であれば問題なし」とした点は医師から批判されている。
・原書のうち、妊娠中の医薬品の服用、分娩時の麻酔の使用、自宅出産に関する章は、日米で状況がかなり異なるために割愛されている。

私は無痛分娩を希望しているので、無痛分娩に関する章はぜひとも邦訳に入れてほしかった。残念!